買物公園で社会実験を実施中
まちにち計画とは?その目的など
まちにち計画とは、旭川駅前の恒久歩行者天国「買物公園」で実施される社会実験のことで、旭川市の公式サイトによれば
買物公園エリアへの来街を促すとともに、人の流れを買物公園エリア全体に広げるため、「居心地の良い滞在空間の設置」と「移動を支援するモビリティの活用」などを行い、その効果や課題などの把握を行います。
となっている。
まちにち計画(社会実験)の実施期間
8月11日~9月7日までの28日間。無料の電動モビリティが運行されるほか、電動キックボードや電動車いすの試乗、それぞれのエリアではイベントなどが開催される。
買物公園の社会実験(まちにち計画)ではなにをする?体験できるものなど
今回の社会実験では、買物公園の4つのエリアにそれぞれテーマをもたせた滞在しやすい特設スポットを設置するほか、イベントや音楽演奏、出店販売などが簡易的な手続きで開催。このほか電動カートの定時運行・電動車いすのレンタル・電動キックボードなどが利用できる。
滞在エリア
4つのエリアにそれぞれテーマごとに滞在しやすい空間を設置。
それぞれの場所では日程や時間に応じてイベントも予定されており、例えばフリーマーケット、ストリートピアノ、こども縁日、日本酒サーバー、クラフトビールなど様々なイベントが開催され、買物公園にいってみようというきっかけになりそうな感じ。
ゾーン1・1条周辺
ゾーン1の概要
お買物の間やバス待ち時間に遊べたり座って休める空間をイメージ
人工芝の上にイスやクッションなどが設置され、すわってくつろげる空間で居心地の良い雰囲気。
【予定されているコンテンツ】
- オープニングセレモニー
- 木箱に色を塗ろう
- 電動カートにお絵描きしよう
- スタンプラリー
- 風鈴ワークショップ
- Pop up Creators By acc
- Plogging Asahikawa
- 高校生雪会議
など
ゾーン1・1条周辺で予定されているイベント
- 8月16日(金)
・スタンプラリー(10:00~18:00)
・総合研究活動におけるアンケート調査(10:00~11:30) - 8月17日(土)
・風鈴ワークショップ(10:00~16:00)
・スタンプラリー(10:00~18:00)
・ストリートピアノ(10:00~18:00)
・キッチンカー/フリーマーケットなど (10:00~20:00) - 8月31日(土)
・旭川買物公園ダンスフェス 10:00~17:00
ゲストはカムイエース、AJO☆朝チア部、旭川観光大使クミッチェル
ゾーン2・4条周辺
ゾーン2の概要
イベントが日常になるような、様々な世代が使いたいと思える空間をイメージ
イベントができそうな、アートな雰囲気もある空間。
【予定されているコンテンツ】
- まちなかアウトドア
- スポーツナイト
- 芝生の上でスポーツしよう
- マニアックナイト
- ファッションアートストリート
- KENDAMAX in STREET SESSION
など
ゾーン2・4条周辺で予定されているイベント
- 8月16日(金)
道北のクラフトビール(11:00~20:00) - 8月17日(土)
・食の提供(11:00~19:00) かき氷等500円で食べ物や飲み物等を提供
・道北のクラフトビール(10:00~20:00)
ゾーン3・5条
ゾーン3の概要
テイクアウトを楽しめたりミーティングができたりするロングテーブルを設置
長机とイスが特徴的な空間。
【予定されているコンテンツ】
5条通7・8丁目界隈散歩など
ゾーン3で予定されているイベント
- 8月17日(土)
子供縁日・モルック体験コーナー 10:00~12:00
KEG DRAFT 日本酒サーバー(うえ田) 16:00~20:00
ゾーン4・7条
ゾーン4の概要
お絵描きしたり本を読んだり、真ん中にのんびりできる広場をイメージ
中央にはハンモックも設置され、1条のゾーン1とはまた違ったくつろぎの空間。
【予定されているコンテンツ】
- 緑道野外映画祭
- シンボルオブジェをつくろう!
- 大きな絵をかこう!
- キャンドルナイト
など
ゾーン4で予定されているイベント
- 8月17日(土)
おむすび、お惣菜の販売(春結)9:00~15:00
ハンドメイド出店(Affect You) 10:00~15:00
落語の公園 18:00~20:00 - 8月19日(月)
大きな絵をかこう! 11:00〜16:00 - 8月20日(火)
キャンドルナイト 18:30〜19:30
ゲスト:キャンドル作家YURIKAGO氏
バスキングエリア(イベント出店)
上記ゾーン1~ゾーン4などではイベントも予定されており、市民や企業、団体などが考えた日によって異なるイベントを楽しむこともできる。
日程に関しては買物公園エリアプラットフォームの公式Xまたはインスタグラムに予定が掲載されているのでそちらを参照。土日や連休にかけてイベントが計画されている。
モビリティ体験
期間中は電動モビリティ体験として、定時運行の電動カートに乗ってみたり(乗車無料でアンケートに答える)、電動車いす(WHILL)のレンタル、電動キックボードの体験も予定。
電動車いすや電動キックボードに関してはレンタルや利用条件が細かく決められているので、公式サイトでよく確認のこと。
電動カート
- 直線往復ルート ~ 旭川駅前、滞在空間4箇所、8条での乗降
(令和6年8月14日(木曜日)から8月20日(火曜日)まで運行)
平均速度:時速5キロメートル
所要時間:約21分
運行間隔:30分間隔 - ジグザグ周遊ルート ~ 旭川駅前、1条、3条、5条、7条、主要ホテルでの乗降
(令和6年8月21日(水曜日)から8月27日(火曜日)まで運行)
平均速度:時速10キロメートル
所要時間:約28分
運行間隔:30分間隔
電動キックボード
電動キックボードに関しては年8月17日(土曜日)、8月18日(日曜日)、8月24日(土曜日)、8月25日(日曜日)の4日間のみで、ツアーガイドが先導する形式。
設定されたコースをツアー形式で周遊する。旭川駅北広場内で受付で参加費は無料。1日2回実施。
- 忠別川、石狩川、常磐公園をメインとした駅前常磐公園コース(A)
12時30分~14時00分
16時30~18時00分 - 忠別川、美瑛川、見本林をメインとした駅裏神楽岡公園コース(B)
10時00~11時30分
14時30分~16時00分
電動車いす(WHILL)のレンタル
出典:WHILL株式会社
ウィルは近距離モビリティのこと。免許不要で歩道を走れることから誰でも利用できる移動手段として障害の有無や年齢などに関わらず世界中で利用されている。近年では免許返納後の移動手段としても注目。
高齢者の多くなった旭川市では中心部などでの近距離移動手段として利用できると、お年寄りが便利になるかもしれない。ただし、旭川だと冬季の積雪状態により車いすの利用が難しいことが予想されるがこういうのもあるよ的な感じで体験するのもいいと思う。
- 貸出期間
令和6年8月17日(土曜日)から8月25日(日曜日)まで
レンタル可能時間:午前10時00分から午後6時00分まで
※最大利用時間は1人4時間まで
- レンタル場所
旭川駅北広場内で受付
- 料金
無料 ※アンケートへの回答必須
寂れ続ける買物公園・社会実験は起爆剤となるか?
買物公園は日本初の恒久歩行者天国としてスタートして50年以上経過する歴史あるエリア。
その買物公園は以前より衰退が問題となっており、丸井今井、西武デパートの撤退やマルカツの閉店など、かつての象徴とも言うべきものが消滅している。
さらに買物公園周辺は古い建物が取り壊され、すぐに駐車場になるなど、空き地も目立つ。旭川駅が新しくなったり、駅前イオンが誕生したりと、駅周辺は賑わいがあるもの、4条より奥は人通りが少ない。
旭川は公共交通機関の選択肢が少なく、マイカーの利用が多い旭川市で特に郊外型店舗が増えた影響もあって、買物公園はドーナッツ化現象の影響を大きく受けている。
一方で旭川市の高齢化率は高く、平成12年旭川市の高齢化率は17.7%だったが、令和6年4月1日現在では35.3%と、3人に1人はお年寄りを若干上回る高齢化率。市内でも高齢運転者によるアクセルとブレーキの踏み間違い事故も増えており、高齢者に対する施策が求められるところ。
その一つとしてマイカーを持たなくても徒歩や自転車圏内でことたりる、コンパクトシティが注目されている。
旭川市も条例で「旭川市立地適正化計画」を定め、コンパクトなまちづくりに向けた取り組みを行っている。
具体的には医療施設や商業施設、居住地がまとまって立地し、誰もが徒歩や自転車、公共交通によりこれら生活利便施設に容易にアクセスできる環境の維持を図るもの。
さらに北北海道の拠点都市としての魅力向上や機能連携を図ることで将来にわたりこれまでどおりの暮らしやすさや賑わいを確保できることを目的としている。
この中で中心市街地は
- 多様な都市機能や交通結節機能の集積を生かした「中心拠点」及び北北海道の「広域拠点」
- 日常生活に必要な都市機能や中心部にふさわしい高次都市機能,中高層集合住宅等の維持・集積を図るエリア
とされている。駅前の中核的な存在となりうる買物公園は、このまま何も手を打たなければ衰退の一途をたどるのは目に見えており、いざコンパクトシティを目指そうとしてもその土台が手のつけられない状態では元も子もないと思う。
また車が運転できると問題ないが、郊外店舗はマイカーが無いと利用しづらい場所であり、運転できない、あるいは運転の自信のないお年寄りにとっては旭川は住みづらい状態となる。
休みの日になると西イオンが混雑するが、マイカーで行ける無料の娯楽施設や遊ぶところが少ないことの裏返しでもある。すべてのマイカーユーザーを引き付けることは難しいが、その選択肢の一つとして、買物公園を魅力的な空間に改善できれば、今よりも街そのものが元気になるのではと思う。
その起爆剤としてなりうるかは未知数だが、買物公園での社会実験がスタートしている。
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