旭川空港に初のLCC、ジェットスタージャパンが成田~旭川間で就航
旭川空港に史上初となる、LCC(格安航空会社)が2023年12月15日から就航した。
今回就航するLCCのジェットスターは、東京に近い羽田空港ではない、千葉の成田空港ではあるものの、片道5990円~というLCCらしい魅力的な格安料金が最大の特徴。
かつて旭川にはスカイマークという、LCCに近い低価格系の航空会社が旭川~羽田間に就航していたが、2014年に撤退して以降は低価格系の航空会社がひとつも無くなっていた。
現在の旭川空港の国内便には旭川~羽田間でLCCではない日本航空(JAL)やエアドゥ、全日空(ANA)があるもののいずれの航空会社の料金が高いので、低価格系の需要に応えられそうな就航となる。
ジェットスター旭川~成田間のフライトスケジュール・飛行機時刻表
東京(成田)~旭川間のフライトは2023年12月15日から毎日運行で、
路線 | 便名 | 定刻 |
成田-旭川 | GK801 | 0925発 1120着 |
旭川-成田 | GK800 | 1200発 1350着 |
となっている。時間帯は旭川から利用するとなると出発が正午の12:00発で使いづらいものの、首都圏からの利用となると、朝1で移動して午後から観光やビジネスで利用。次の日も午前中は観光して昼の便で帰るといった感じ。
完全な首都圏からの需要をメインとした時間設定であるものの、旭川側から長期休暇などで利用する分には既存の航空会社よりかなり安くなるので、有用な選択肢となるはず。
冬期でも高い稼働率の旭川空港と格安料金のLCCに確かな需要?
旭川空港は北海道の空港の中でもトップクラスの就航率、99%以上を誇る安定した空港で、雪の影響などを受けやすい冬季でも安定した発着が可能な空港だ。
札幌に近い新千歳空港よりも欠航しずらく、遅延することはあってほぼ欠航しないので価格の安いLCCとの組み合わせにもかなりマッチする。
同じくLCCが就航する釧路や女満別空港は旭川空港ほど就航率が高くないので、いくらチケット料金が安くても欠航なってしまうと利便性が大きく損ねてしまう。その点、冬期でもほぼ欠航しない旭川空港とLCCの組み合わせはかなり心強い。
ビジネスはもちろん国内旅行で人気の北海道、首都圏から道北へのアクセスとして
近年、コロナが落ち着いたことと、記録的な円安もあって国内旅行が人気。
とりわけ北海道もその人気エリアのひとつで王道の札幌や小樽などの道央地方、函館などがある道南地方、帯広や釧路などの道東地方、旭川や美瑛、富良野や稚内などの道北地方と大きく4つに人気が別れるのだが、これらにアクセスするために一番手軽で速く移動できる飛行機は有用な移動手段。
今までは道北地域の旭川や美瑛、富良野などに観光しようとするとチケット料金の高いANAやJAL、エアドゥなどの直行便を使って旭川空港まで移動(※その後レンタカーを利用)するか、新千歳空港に一旦降りてJRや高速バス、レンタカーなで道北まで移動するというパターンが定着していた。
これが羽田空港ではあるものの、羽田~旭川でLCCの直行便が就航することにより、首都圏からの移動手段として選択肢がひとつ増えることとなる。
首都圏に住んでいる人の潜在的な道北観光需要はまだまだあるはずで、LCC就航がこれを後押しするのではと管理人はみている。
羽田空港から首都圏は少し距離があるものの、成田エクスプレスや京成スカイライナー、LCCバスなどアクセスは良いので、そこまでネックにはならないはず。鉄道の利用料金を含めてもANAやJALよりもお得に移動できる。
LCCによる観光客増加で旭川市内や道北圏に経済効果も
LCC就航で観光客が増加すると、観光スポットはもちろん、ホテルなどの宿泊施設や飲食店などの利用客が増え、観光系の経済が潤う可能性がある。
また旭川空港からJR旭川駅に移動し、そこから鉄道で道北や道東方面に移動するといった流れも考えられJR北海道の利用客増加にも。
格安航空が就航することにより、観光客やビジネス利用などで道北圏への経済効果に派生すると思う。既存の非LCCでなく、利用しやすい格安航空というのが大きい。
このほか冬期はピーチ航空の釧路便や女満別空港便などが欠航になったり、料金もLCCの割にあまり安くないので、道東地方への代替移動手段としてLCCで成田~旭川間のジェットスターが選ばれる可能性がある。
なお、2023年の冬は旭川電気軌道がMR430の見学会を半定期的に実施しており、LCCで訪れる道外ファンも旭川に訪れやすくなった。
まずは冬期運行でウィンタースポーツをメインに。需要が確認できれば増便の可能性も
まずはウィンタースポーツなどを主体とした外国人観光客がターゲット
とりあえず公式ページから発表されている就航期間は2023年12月15日から2024年3月30日までの冬期期間で、主に首都圏からのウィンタースポーツなどを想定した観光利用がメイン。
旭川をはじめとして道北圏のスキー場(カムイスキーリンクス、サンタプレゼントパーク、キャンモアスキービレッジなど)はサラサラ雪の「パウダースノー」やそれを越える「シルキースノー」が大きな特徴で、スノーボーダーやスキーヤーに人気の地域。
かつて北海道でスキーと言えばニセコがメインだったが、今はニセコに飽きた客が富良野に流れるなど、ニセコ以外のスキー場にも注目が集まっている。富良野の次いで旭川周辺のスキー場が人気となれば、LCC就航によりオーストラリアなどから羽田空港を経由した国際便の乗り換え需要も出てくると思う。
旭川空港と富良野は新千歳空港からよりも近く、冬でも欠航にならない旭川空港の利便性はかなりのアピールポイント。
そして、2024年4月以降は夏季のフライト時間が組まれることが予想され、若干時間が変更になる可能性も。
路線需要が高まり人気が出れば1日1往復から1日2便などに増便される可能性もあり、そうなるとさらに利便性向上と観光客増加が期待できる。好循環で道北経済に良い影響を与えそうだ。
カンタス航空はインバウンド(外国人観光客)を呼び込む実績あり
ジェットスターの親会社はオーストラリアのカンタス航空。カンタス航空は成田空港とオーストラリアのメルボルン、ブリスベンとを結ぶ路線を持っている(※シドニーは羽田間)。
日本国内では成田空港を経由して乗り継ぎ先の地域へ観光客を増加させるのが得意で、ジェットスター・ジャパンの社長も旭川方面へ観光客を増加させたいと話していた。
実現すればオーストラリアから成田空港→旭川空港へ呼び込むような流れができ、ツアーやキャンペーンなど同じ航空会社の強みを生かした施策などで旭川空港を拠点とした道北観光に一役買う可能性がある。
2023年12月22日にジェットスター・ジャパン労働組合がストライキ
賃金未払などに対する交渉の影響で、ジェットスター・ジャパンの労働組合はストライキを実施している。成田旭川便への影響は未知数で、場合によっては運休や欠航の可能性もでてくる。
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